「人間万事塞翁が馬」とコロナ後の「君たちの時代」
はじめに
学校が「休校」になってしまいましたね。お茶ゼミ√+も「休校」になりました。
“どうしよう!”という声が聞こえます。困りましたねえ。
「緊急事態」だから、新型コロナウイルス対策として、社会全体がストップしてしまいました。
新薬・特効薬がないので、誰もが「不安」「恐怖」で怯えています。
受験まで1年を切ってしまった「高3生」はたまったものじゃないですね。
不安の二乗です。いや三乗以上・・・です。
どうしたらよいでしょうか。
こんな時は「発想」を変えて「人間万事塞翁が馬」で行くことにしましょう。
不幸や幸福は予測ができないのだから、悲しんだり喜んだりすることを止めにしよう、ということです。
「ピンチとチャンスは表裏一体」なのですからね。
多くの大学の講義がオンラインになったのですから、嘆くのは中止です。
受験アドバイス
( )の中に、自分の言葉・訳を入れてください。
Bridge Over Troubled Water 日本語訳( )
When you're weary もし君が疲れ果てて
Feeling small 日本語訳( )
hen tears are in your eyes 涙が溢れたりしてくるときは
I will dry them all 私がそれを拭い去ってやろう
I'm on your side 日本語訳( )
When times get rough どんなにつらい時でも
And friends just can't be found 頼りになる友達が見つからない時でも
Like a bridge over troubled water 日本語訳( )
I will lay me down 私は君の支えになろう
明日に架ける橋(部分) Simon & Garfunkel
休校を「飛躍のチャンス」にする
休校の期間は「新しい学習方法を取り入れるチャンス」です。
お茶ゼミ√+形式の学習に、個別学習・映像学習を加えるチャンスです。
お茶ゼミ√+の「映像」配信を有効に活かすことが第一です。
休校を嘆くより、与えられた機会を、意義あるものに利用する知恵を使う方が「賢い」です。
いま、全国一斉にものすごい量のオンライン「Web講座」が流されていますね。
よく見ると、「レベル(質)の差が大きい」です。
動画を含めて、どれを選択したらよいのか迷いますね。
流行に乗るより「お茶ゼミ√+映像」からですね。
一般的なWeb授業は「理系科目」はシャープなものが多いですが、「文系科目」は開発が遅れています。
教材をしっかり見て選択する必要があります。
教育の質は、使用する「テキスト」と指導者の「教える力量」で決まります。
お茶ゼミ√+生は、これまでの講座の延長で「標準・難関」などのランク分けに従って映像学習を「そのまま継続する」と良いでしょう。
高3生にとっては「時間との勝負」になりますから、テキストの選択と指導者の指示にそって「流れを切らないこと」が大切です。
受験勉強で「休校の間に差がつく」ことを意識して、学習に空間をつくらないことが重要です。
受験アドバイス
ニュートンの三大業績とよばれる<微分積分学><光学><万有引力の法則>は、彼がペスト禍を逃れて故郷の田舎に戻っていた18か月の休暇中に成しとげたものです。その時、彼は25歳だったようです。 イギリスに住んでいた私の息子の家の中庭にも、小さなリンゴがポト・ポト落ちていましたから、「万有引力」を閃いたのは、日常の当たり前の光景だったのかもしれません。ニュートンのリンゴは「フジリンゴ」がひとつ落ちてくるようなイメージではないのです。 君も、新型コロナウイルス禍で困っている間に、しっかり思索にふけり勉強していると、「何かがヒラメク」かも知れません。コロナ禍も「人間万事塞翁が馬」で見ると、悪いことばかりではないのです。受験勉強も同じです。
人間を「にんげん」ではなく「じんかん」と読む
中国語の“人间”は日本語のような「人・ヒト」という意味はなく、「人間の住む世の中・世間・セケン」という意味になります。
「人間塞翁が馬」の意味も広く「世の中・世間」と考えるといいですね。「出典」は准南子の人間訓です。
漢文に不慣れな人は、私が傍線をつけた部分を拾い読みしてください。
後記の意味と併せて読めば分かり易いでしょう。
近塞上之人有善術者、馬無故亡而入胡。人皆吊之。其父曰「此何遽不為福乎」居數月、其馬將胡駿馬而歸。人皆賀之。其父曰「此何遽不能為禍乎」家富良馬、其子好騎、墮而折其髀。人皆吊之。其父曰「此何遽不為福乎」居一年、胡人大入塞、丁壯者引弦而戰、近塞之人、死者十九、此獨以跛之故、父子相保。故福之為禍、禍之為福、化不可極、深不可測也。 <塞=砦><胡=野蛮人>
【訳】国境近くの砦に住む老人の馬が隣の胡の国へ逃げた。その馬が優れた別の馬を連れて帰ってきた。今度は老人の子供が落馬して足を折った。そのおかげで、その後起こった戦争で、兵役を逃れて命が助かった。「幸が幸福に、幸福から不幸にもなりえるので最後まで予測ができない」。この塞翁の出来事から、その例えとして「塞翁が馬」という言葉が使われるようになった。
受験アドバイス
君はアルゴリズムを知っていますね。これはコンピュータの計算の手順にすぎませんが、Googleのように、膨大なデータを蓄積して、影響力を発揮しますから恐ろしいですね。私が、PCで簡単に「検索しただけ」で、すぐに「あなたのお探しのものは」と返ってきます。amazonが「お勧め本」を案内します。
検索システムの手順にそって計算しているからですね。
半年前に「美空ひばり」さんを人工知能(AI)で復活させた番組がありました。彼女の膨大なデータ・映像・会話の記録から「機械学習」をしたのです。
ものすごい技術ですが「怖い」です。この技術は使い方次第ですね。 アルゴリズムは、君の時代を動かすパワーですね。これも「塞翁が馬」です。
コロナ対策は「人間万事塞翁が馬」です
いま現在、私たちはコロナウイルスの前で立ち往生しています。
コロナ禍は、ひとつの「時代の潮目」にすぎません。
幸福や不幸の境目です。
コロナ対策を通して、私たちは「科学の力」の大きさ・大切さを痛感しましたね。
テクノロジーが社会の大きな力となったことが再確認され、「科学がこれからの社会の動向を左右する」ことを突き付けられました。
テクノロジー(IT/AI)を、どのように使用するかによって、社会は全く異なる方向に行くこともわかりました。
例えば、<スマートwatch>で、血圧・脈拍を測ることができるし、それをスマホに繋ぐこともできますね。
これを政治的に利用したらどうなるか。
個人の喜怒哀楽まで把握できるITは、中国や北朝鮮のように「全体主義の管理社会」が可能であることを教えてくれました。
しかし、科学の力が人間の知性の下で統御され、「共感と利他主義の社会」が実現できることも自覚させられました。
まさにコロナは「万事塞翁が馬」です。
このどちらの道に進むか。
「君たちの時代」は選択の時代でもあります。
受験アドバイス
京都大理数解析研究所の望月新一教授の、数学の超難問「ABC予想」の証明が認められた・・・というニュースが走りました。画期的なことですね。
私が高校時代に、ポアンカレ(仏)・ガウス(独)・オイラー(スイス)の数学(第6回で紹介)について勉強していた友人がいました。私にはチンプンカンプンでしたが、彼は「数は哲学だ」と話していたことを思い出します。
先日、妻と『奇跡がくれた数式』という映画を観ました。インドの天才数学者ラマヌジャンを描いたものでした。この中で、ケンブリッジ大学のハロルド・ハーディ教授のこともありました。『ビューティフル・マインド』はジョン・ナッシュ(米)の生涯を描いた映画でした。「イミテーションゲーム」はイギリスの天才チューリングの苦悩を描いた映画でした。数学の研究に触れたことがない人も、この機会に勉強するといいですね。
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