復活する葦になろう!
はじめに
「復活する葦」になろう!これが今回のテーマです。
パスカルで触れた「弱い葦=人間」が、コロナの強風をしのぎ、泥の中から、立ち上がり復活するイメージです。
夏の甲子園が中止になってしまいましたね。
私の義父は4回甲子園に行った「甲子園監督」だったから、選手たちがどんなに激しく努力していたか、どんなに悔しいか。
挫折した思いの深さは深刻ですね。君の友達の中にもいるでしょう。
地方予選から、インターハイを目指して頑張っていた選手たちだから。
胸が痛み、涙が溢れでます・・・。
・・・しかし、ここで挫けてはいけないです。復活する葦にならなくちゃ!
スポーツで挫折を「希望の光」に変えた男たち
太平洋戦争で敗北し、自信と希望を失っていた日本の人々に「勇気を与え人」がいます。
それは水泳の「古橋広之進」選手です。
君にとっては、伝説の人物でしょうが、私は直接お会いしたことがあります。
威張らず、とても気さくな人でした。いろいろなエピソードを聞かせてくださいました。大切な想い出の人です。
「食べものが何もなかったですからね。毎日、毎日、サツマイモばかり」(笑)
「魚に負けるものかと、自分が魚になったつもりで泳ぎましたよ」(笑)
中3の時に、中指を切断の大怪我、太平洋戦争で水泳も中断。そして終戦。
戦後の混乱した環境であっても「泳ぐたびに世界記録」を出して「フジヤマのトビウオ」と、人々に立ち上がる勇気を示してくれた人です。
ひたすら頑張る古橋選手。ライバルの橋爪四郎選手と二人で、世界を相手にガムシャラに頑張る姿は、どんなに「生きる希望」を与えてくれたことか!!
古橋選手の活躍を見て、自分たちは「ダメなんだ!」と自信喪失していた日本人は熱狂し、少しずつ「復活」していきました。湯川秀樹先生のノーベル賞と共に、戦後史の忘れてはならない「復活する葦」の話です。
受験アドバイス
「悔しさ」「憤り」「屈辱感」を昇華させて、いまも現役選手として活躍しているのは、「キング・カズ」とよばれるサッカーの三浦知良選手です。彼は、1998年のワールドカップ・フランス大会の最終選考で、強制的に帰国させられました。その時、私は友人のヴェルディ川崎の森下源基社長に「怒れ!怒れ!」と檄文を送りました。三浦選手は「誇りと魂を向こうに置いてきた」とだけ話しましたが、よほどプライドが傷つき、悔しかったでしょう。この悔しさ・屈辱感が、現在の彼の力、エネルギーになっていると思います。勿論、私の勝手な推測にすぎませんが、悔しさの底が深ければ深いだけ「復活の力が強い」です。彼はそれをやってのけているのです。
クレオパトラの鼻がもう少し低かったら・・・
『クレオパトラの鼻がもう少し低かったら世界の歴史は変わっていただろう』
この「クレオパトラの鼻」の箇所に、「コロナ禍」を入れてみてください。
ローマが最も勢いを持っていた時の「権勢者2人」を手玉にとった大国エジプトの女王クレオパトラの行動は、コロナ禍と米・中大国間の駆け引きと同じです。パスカルが、どんなに鋭く、本質を言い当てていたかが伝わってきます。
パスカルは早熟の天才でした。16歳で円錐曲線における定理。そして「パスカルの原理」の発見をしましたが、病弱の天才はベッドの上で過ごす時間が多く、39歳で亡くなりました。
彼の死後、パスカルが残したメモを妹さんたちが整理したものが『パンセ』です。
パンセを見ると、病弱による「弱い心」を乗り越える力を信仰に求めたことが分かりますが、自分の弱点をカバーする「強い意志」の大切さが伝わってきます。パスカルの「すべての出発点」ですね。
受験アドバイス
- クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史は変わっていただろう。
- 無知をおそれる必要はない。しかし、偽りの知識を恐れなさい。
- 恐れる者は恐れる必要はない。が、恐れない者は恐れを知らなくてはならない。
- 進歩によって完成することは、すべて進歩によって滅びる。
- 神を感じるのは心情であって理性ではない。信仰とはそのようなものだ。
- 神が存在するということは不可解であり、神が存在しないということも不可解だ。
- 雄弁も、長たらしくなると退屈する。
- 戦いほど面白いものはない。だが、勝利はそれほどでもない。
日本人は、もっと国際的に活動すべきだ
情けないことであるが、現在の世界は平和ではない。
コロナという大敵を前にしていながら、中国とアメリカが対立し、自国中心主義で人類が一丸となっていないからです。
国益中心で、新薬の開発でさえ争っています。この先がみえません。
覇権主義を乗り越える力を持つ「世界政府」がなければ、国際的な安定を保つことができないのでしょうか。
WHOの活躍に、多くの国家・人が期待していますが、強力な組織的な指導力がみえません。
第2次世界大戦の終わりには、戦勝国中心とはいえ、世界平和の実現のために「国際連合」が生まれました。
が、現在は「存在感」の薄さが目立ちます。
「復活する国連」に期待しましょう!
覇権国家の争いを抑える組織であってもらいたいです。
「再生する国連」しか、世界平和を実現する機関がないのです。
その中で、リードするWHOであって欲しいのです。
では、日本はどのように活動すべきなのでしょうか。
日本はこれまでに、多額な分担金を出して来たのですから、もっと「はっきりとした立場」をとり「明確な主張」をしなくてはいけないです。
受験アドバイス
アメリカは国連の分担金を滞納し、イギリス・フランス・ドイツなどより日本ははるかに大きな負担を担ってきましたが、残念なことに発言権が弱い。国連で働く職員も圧倒的に少ないことが分かります。これは残念で、異常です。
君は、しっかり、英語など共通語をマスターし、「専門知識と技術」をもって、国際的に活躍して欲しいです。お茶ゼミ√+の卒業生が「活躍するステージ」は広く・大きいのです。コロナに負けてはいられないのです。大学入試を突破して「次へ」です。
「すでに起こった未来」
未来のことはわからない。
しかし、はっきりわかっていることは、「コロナ騒動」が終わったら、世界と日本が、全く異なる社会になっていることです。
何が、どのように変わっていくか。具体的にその予測はできませんが。
分かっていることは、中国の世界進出は止められないだろうし、日本国が「親米」のままで行くか、「親中」に傾いていくかという選択が迫られるでしょう。
教育では、この2~3か月で、オンラインの授業技術は確実に進んだし、ビジネスでは、在宅勤務が普及し「仕事の在り方」の構造的変革が進んでいきますね。
個人の意識と行動は、ますます「リキッド化」することでしょう。
受験アドバイス
ドラッガーの著作の中に『すでに起こった未来』があります。すでに起こってしまい、もはや元に戻ることができない変化で、私たちが認識していないことについて論じています。彼は、政治・経済の役割を論じていますが、「コロナ禍」になって、すでに「ドラッガーの警告以上」の状況が生まれました。
君の身近なところでは、大学入試では、遅かれ早かれCBTを使うでしょうし、それに伴い、出題の仕方も、解答の仕方も、採点方法も変更されるでしょう。受験生として「すでに起こった未来」があることを自覚して、さらに一歩前へ・・・!!
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