未来を描く力・夢を掘り起こす力~未来は生きている・夢を実現するために行動する~
はじめに
君の夢は、何なの?
君は、どんな仕事をして、どんな生き方をしたいの?
あえて「勝ち馬」にならなくて、他人に貢献できる仕事をしたいのかな?
まず、自分の満足度を大切にしたらいいなあ。
さて、君は「生きている」のかね。それとも、「生かされている」のかね。
そんなことを考えたことがあるの?
君は「白紙」(タブララサ)だから、人生にどんな色を付けることもできる。
受験アドバイス
「生まれたばかりの人間の心は『白紙』であり、外的な感覚と内的な反省という経験によって、あらゆるものが獲得される」が、「タブララサ」の意味です。これは、イギリスのジョン・ロックの考え方です。彼は、経験主義の立場から、当時、大陸で主流であった「デカルトの合理主義」に反対して、何事も「経験」によってマスターされるものだと主張したのです。『人間悟性論』(1689)に書いてあります。
受験勉強でも同じです。頭の中で考えるより、「今日の演習」の方が大切だということです。まず、自分の目標を明確にして、お茶ゼミ√+の「3月(新年度)」及び「春期講習(春休み)」から始めましょう。
なりたい自分を描くこと
中・高生の時に「自分の夢」を、しっかり持つことが大切ですね。
「なりたい自分」を持つことが、全ての基本です。将来、政治家・実業家・有名人になることでもいい。堅実な家庭を築くことでもいい。弱い人を支援する仕事をしたいでもいい。歌手でも、イラストレーターが「夢」であっていい。
夢は「欲望のひとつ」ですから、実現するまでのプロセスが大切です。
しかし、思うように行かないのも人生です。個人的な挫折もあれば、コロナのような環境の変化が夢を壊してしまうことも多いです。が、心の底にいったん持った夢は、生涯ついてまわるものです。夢は決意と行動を要求します。
受験アドバイス
「I was born(アイ ワズ ボーン)」は、吉野弘さんの散文詩です。
私たちが、この世に存在する意味を考えるきっかけになる詩です。
“ ――やっぱり、I was bornなんだね――
父は怪訝そうに僕の顔をのぞきこんだ。僕は繰り返した。
――I was bornさ。受身形だよ。正しく言うと人間は生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね―― ”
「I was born」には、蜉蝣(カゲロウ)の話が登場します。
腹の中にぎっしり充満した卵の描写が生々しくクッキリとしていて、目の前に浮かんでいるかのようです。そして、まるで卵を産むためだけに存在するかのような蜉蝣は、その少年を生み落として、すぐに亡くなったお母さんの姿に重なるのです。
昨夜の夢は何だったの?
「昨夜、見た夢だけど、僕が宇宙にいるんだ!」
「私は、山の中を一人で歩いていたわ!」
「ぼくの夢にお化けが出たよ。それもカラーなんだ!」
なぜ、夢を見るのか。それが自分とどのように繋がっているのか。
自分の夢を分析してみたら、どんなことが分かるのかしら?
君は、「無意識の世界」を考えたことがありますか?
試験場でも、ステージでも、どんなに緊張していても「肉体が覚えているから大丈夫だ」と感じたことがありますか?
受験生の学力は「不動のレベル」まで到達することが期待されているのです。
例えば、自転車に乗っている時を思い出してください。いちいち意識して運転していなくても「運転」できていますね。肉体がマスターしているからです。
それが不動のレベルです。無意識で行動できる力です。
マーケティングの観点から、「大衆行動・大衆心理」を分析し、ビジネスに応用している人がいます。無意識を操作する心理学です。CMづくりに活用される場合が多いです。
受験アドバイス
精神分析学という学問があります。無意識にみる夢を分析したりして、人間の「深層心理」を解き明かそうという学問です。フロイトを出発点として、弟子のユングが続きます。日本では、斎藤茂太さんが、中心になってユングの学問を発展させました。
グランマ・モーゼスの素朴な絵画
いわゆる画壇で有名ではありませんが、グランマ・モーゼスさんの絵画が注目されています。刺繡が好きな農家の主婦が、80歳近くになってから絵筆を持ち、101歳までに「夢を描いた」のです。アメリカの画家です。
始めは素朴な素人絵でしたが、ある時、彼女の能力を見抜いた人が「きっかけ」を与え、指導を始めてから、素晴らしい才能を開花させたのです。
彼女の展覧会に行ってみましたが、「才能はいつ開花するか」わかりません。
親しみのある素材を、気負うことなく夢を表現した絵画でした。
受験アドバイス
ある時、数学の教師がやってきました。「私は、高3の超トップ級の受験生を教える力がないので、低学年の担当にしてください」というのです。教え方が上手で、信頼されている教師でした。が、自分の力の限界を意識していたのです。
受験指導は専門性が強く「レベル感が大切」です。その後、彼はたくさん勉強して、人気教師になりました。いつでも、誰でも「試行錯誤」をするものだと思います。迷いながら、少しずつ伸びていくのです。
みえる夢・みえない祈り
君の「将来の夢」は何ですか。
建物をつくる。都市を設計する。何かを研究する。描いたイメージをオトにする。イロで表現するといった「見えないものを形にする」ことにありますか。
モノ持ちになる・カネ持ちになる夢を持っている人もいますね。誰かに貢献する・何かに役立つ夢を持っている人もいますね。夢は多様であり、多彩です。
現在の君の夢は、直近の「志望校に合格する」・「それを実現するための道筋を立てる」というのが現実的ですね。
受験アドバイス
君は「シュール」ということを知っていますか。シュールとは本来、フランス語のシュールレアリズムの略語で「超現実主義」という意味です。これは1920年代にフランスで興った前衛芸術運動の名前です。 私たちが使うシュールは略語で「超現実的な・不条理な・奇抜な・難解な様子」を表していますね。夢とシュールは、似ていますが、同じではありません。
夢は「挫折」・「希望」の繰り返し
人生は、「単純にいかない」です。
「だから人生は面白い」と気付くには、ある程度の時間・歳月が必要です。しかし慌てる必要はありません。どんな人でも、挫折と希望を繰り返して夢を実現しようとするのです。哲学や心理学に興味を持つ人が多いですが、その道を究められる人は少ないです。宗教の道は果てしない世界です。
多くの人は、現実的な生活に追われて、夢は心の中にそっと忍ばせるのです。
しかし、時々目覚めて「ヒラメキ」になったり「アイデア」になったりしています。プラトンは、それを「イデア」と呼びましたね。
最近『サピエンス全史』を読んだのですが、著者のハラリ氏は、「現実の分析」をうまくまとめていますが、夢を描いていませんね。「意識革命」「想像力」では、人間を表現することができないからでしょう。私は、この本を読みながら、人類の進化は、「夢の共有」にあるんじゃないかと思いました。
それにしても、現代はあまりにも「夢を描く環境にない」と思いますね。
私は、夢・野心の共有が、人類の進化・発展の源泉だと考えています。
受験アドバイス
先日、ドイツの演奏家(ゲルハルト・オピッツ)のピアノリサイタルに行きました。
コロナ禍ですから、ナマのピアノ演奏を聴く貴重な機会でした。最後に演奏した、ベートーベンの「ソナタ第23番:熱情」が胸を打ちました。この環境の下で、必死に鍵盤に向かう老演奏家の熱情に、強い「メッセージ」を受けました。
どんな時でも「伝えたいモノ」と「伝える技術」が要求されます。それを「受け止める聴衆」がいて、相互の「共感」が演奏会を充実させます。
お茶ゼミ√+の皆さんの勉強も同じです。「伝えたいモノ」がある指導者がいます。「教える技術」を持っています。あとは受講生の「学ぶ意欲」が求められています。とてもいい環境ですね。これからの皆さんの頑張りを期待します。
夢の向こう側にあるもの
最近、アメリカの俳優のイーストウッドの映画が公開されました。91歳の厳しい「監督の顔」と演技する「俳優の顔」を使い分けたのです。何歳になっても夢は続きます。夢は「生きる力」であり、達成することが喜びになるからです。それは「感謝」につながり、感謝は夢の向こう側にあります。これは、若い君も、高齢者も同じです。夢は「終わりなき旅」です。満足したら、そこでストップしてしまいます。だから、現状に妥協しないで生きる人が輝いているのです。学力・体力・気力を養いましょう。
受験アドバイス
「阿弥陀経」には、西方に極楽浄土があると書いてあります。夢の向こう側にある理想の世界を指しています。多くの悩める人、不安に駆られている人に対して「理想郷・夢の世界」を分かり易く述べたものです。天台宗・比叡山で学んだ法然や親鸞が広めた世界観でもあります。「南無阿弥陀仏」とは「南無=よろしく」「阿弥陀仏=西方浄土にいる教主」という意味です。生きとし生けるものに向かう「慈悲の心」が夢の向こうにあります。
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