<緊急>戦争は嫌だ!!ではどうする?~侵略や戦争はどのように展開されているか~
はじめに
戦争はいやだ。戦争に巻き込まれたくない!
しかし、現実にウクライナで戦争が行われている・・・
現在の世界情勢では、どこで戦争が勃発してもおかしくない・・・
ましてや、日本にとって、「戦争は他人事ではない」・・・
すぐ近くで、いま、戦争が始まっておかしくない・・・
日常生活の、すぐ横に始まっているトラブルについて考えよう。
君が、勉強をする最大の目的は、「戦争を避ける知恵」の習得です。
受験勉強に集中する意義も目的も、戦争と無関係ではないのです。
受験アドバイス
いま、私たちにとって大切なことは、歴史的な事件を体感する感性です。「教科書で学習する大戦や地域紛争」と「いま起きている戦争」をつなげて理解することです。
入試でも「思考力」「判断力」の出題傾向が強まっていくでしょう。
ウクライナの戦争は、遠いところの「事件」ではない
「左手にコロナ」「右手に戦争」。その真ん中に「受験勉強」があります。これが、君が今置かれた状況です。
2022年度入試で「コロナ」感染症を出題した大学が沢山あります。
だから、2023年度入試では、「戦争」と「紛争」を取り上げる大学が沢山あるでしょう。
「戦闘」だけが戦争ではありません。武器をつくり、兵士を訓練し、「後方支援の態勢」をつくり、戦略を練り、戦勝と敗戦のメリット・デメリットを計算し、民主主義国家ならば「議会の承認」が必要です。
今度のロシアの侵攻をみると、この国が「独裁国家」であることが明確です。ましてや核兵器の使用をちらつかせるということは、「人類全体の滅亡」も戦略的にイメージしていることになります。
戦争の大義名分を明らかにすること
いまロシアは、大義名分のない戦争を展開しています。
何かをするにあたっての根拠や口実が必要ですが、ありません。
ロシアはウクライナの親ロシア派の国家を守るためで、国際法上では「集団的自衛権」の行使だといっていますが、これは大義名分になりません。行動の拠り所になる正当な理由に欠けているからです。
歴史上で、もっとも大義名分を堂々と主張して戦争を拡大していったのは「ナポレオン・ボナパルト」でしたね。フランス革命の理念である「自由・平等」を掲げて「虐げられた民衆の解放」を訴え、他国を侵略しました。
ベートーベンは交響曲第3番「エロイカ(英雄)」を作曲し、ナポレオンに捧げようとしましたが、「皇帝」になった彼を見て、怒って、献上を取りやめたという有名な逸話がありますね。
スペインのゴヤは、ナポレオン軍の実態を見て幻滅し、告発する「マドリード、1808年5月3日」を描きましたね。
受験アドバイス
ナポレオンによって、徹底的に痛めつけられたプロイセンは、シュタイン・ハイデンベルクが徹底した国政改革を行いました。哲学者フィヒテは「ドイツ国民に告ぐ」という連続講演を行い、逞しく立ち上がるべきことを訴えました。やがて、「プロイセンはドイツ連邦」となって再生していきました。
この過程は、23年度入試の大きなテーマになるでしょう。
原発を攻撃すれば、人類撲滅
ヨーロッパのエネルギーの約4割を担っているロシアが、旧ソ連時代から原子力発電所の多くがあるウクライナを支配することで、エネルギー実権を把握し、覇権を確立しようとしています。
ヨーロッパ最大級のザポロジエ原発を抑え、「力による制覇」を狙っているのです。
1980年に大事故を起こしたチェルノブイリ原発をすでに制覇したといわれます。エネルギー源を抑えようという戦略です。
忘れてはいけないことは、チェルノブイリの事故があった時に、旧ソ連がつくった原発の施設が古くなっており、「重要な部品が耐久年度を越している」と騒いだ記憶です。
それに、旧ソ連は、他国から攻撃されることを前提にしていなかったので、かなり「地表に近い位置に『原発施設』がつくられている」というニュースがあります。これらが真実ならば、今回のロシアのサボロジエ原発周辺の攻撃は大変危険なことです。
ちなみにウクライナには15基の原発があり、6基がサボロジエ原発に近くにあるそうです。
君は、シベリアに何基の原発が配置されているか知っていますか。
日本原子力協会の資料によれば、ウラジオストク・ハバロストク・ピルビノなど4基あります。
ここで事故が起こり、偏西風に乗って「黄砂」のように「放射能」が日本上空に舞ってくることをイメージしてごらんなさい。怖いです。
受験アドバイス
ヤロシンスカヤ・チャリティ基金(ロシア)のアラ・ヤロシンスカヤさんの論文によれば「1996年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所で事故が起こったとき、ソ連には、数百基に上る研究用原子炉のほか、核兵器や軍事産業の原子炉が文字通り全土に散らばっていた。それにもかかわらず、ソ連には、起こりうる原発事故の犠牲を防ぐための法律がひとつもなかった」とあります。
戦争は、国家エゴと個人の野望のぶつかり合い
「理念・理想の戦い」なんてありません。「欲望と欲望の争い」が全てです。戦争と戦争の間にある静かな期間を「平和」というのです。
旧約聖書のノアの洪水伝説では「神の怒りが解けた」ことを平和といっていますね。陸地を探すためにノアがハトを飛ばしたところ、オリーブの枝をくわえて帰ってきたことを祝って「平和」といったのですね。
国際連合の旗にもオリーブの葉が描かれています。
ロシアの侵攻のよって、国際連合が無力であることが判ってしまいましたね。
もともと、第二次大戦の「戦勝国」がつくった組織ですから、日本やドイツという「敗戦国」には厳しい対応を迫ってきた組織でした。「世界政府」「世界政府軍」がないのですから、加盟国の同意がなければ、どのような行動もとれないという現実と限界が露呈しました。「地域紛争」が抑えられなくなり、今度の戦争の有様となりました。
「ウクライナはNATOに所属していないので、防衛の義務はない」というアメリカ大統領の発信をみて、プーチンが出撃したことをみれば理解できますね。経済制裁だけで、このまま「NATOと米軍が出陣しなければ」、ロシアはウクライナを征服し、旧ソ連であった地域全般に侵略する行為をやめないでしょう。「国際的な孤立」を恐れず、冷戦時代に戻ることを厭わないだろうからです。
受験アドバイス
ロシアがウクライナとの国境周辺に軍を集中させたことは「国連憲章第2条」に反することです。が、それにしても、この中の「集団的自衛権(right of collective self-defense)」の解釈が曲者でした。これは、自分の国が他国から攻撃を受けていない場合でも「反撃する」ことが許されているのです。「国連憲章51条」ですが、今回は、ウクライナから独立を主張する二つの地域を、いち早く国家として承認し、その国家の要請に応じて出撃したという体裁を立てています。だから、侵略ではない、「国連憲章が認めた集団的自衛権の行使だ」と主張しているのです。
随分都合がよい論理ですが、戦争とはそんなものです。この機会に、国連憲章を一読してみましょう。
尖閣諸島・台湾・沖縄への懸念
日本への影響について考えてみましょう。どこまでも「私の仮説」に過ぎませんが、考えるヒントになればうれしいです。
今回の「プーチンの論理」に従って考えるならば、「尖閣諸島」で、中国は既成事実を積み重ねていますから、日本からの「抗議メッセージ」程度では響かないでしょう。
また、「台湾」の国内に中国派の人脈を拡大していますから、その人たちの要望に沿って「台湾に出兵」すると主張することが考えられます。
台湾には「米軍基地がありません」から、有事の際は「沖縄から派兵」することになるでしょう。そこで、日本国内で議論が沸騰するでしょう。が、そのレベルは折り込み済みで軍事行動をすると思われます。ここで「自衛隊の行動範囲」が問題になりますね。
このように、「戦禍はホンの近くにせまっている」ことを自覚して、しかし君は「今日の勉強」に集中しましょう。
また「北方領土」についても、楽観的な見解はなくなりましたね。北方四島にロシアの軍事基地をつくることも考えられます。
受験アドバイス
国家の交流・衰退のキーになった戦いのうち、下記の戦争について答えてください。
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- スぺインが、オスマン帝国を破った1571年の海戦を答えよ。
- ➡ 【レパントの海戦】
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- エリザバス1世が、スペイン無敵艦隊を破った1588年の海戦を答えよ。
- ➡ 【アルマダの海戦】
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- アフリカ大陸でイギリスとフランスがぶつかった1898年の事件を答えよ。
- ➡ 【ファッショダ事件】
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- ロシアの南下政策で、オスマン帝国と交戦した半島を答えよ。
- ➡ 【クリミア半島】
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- ロシアのピョートル1世と、清の康熙帝と結んだ条約名を答えよ。
- ➡ 【ネルチンクス条約】
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