<不透明>VUCAの時代を生き抜く知恵~「分断」から「調和」へ~
はじめに
「いまなぜ戦争か!」
連日、報道されているウクライナの戦禍をみると、戦争の犠牲になる代償が大きすぎて、無念であり、悲しいです。
「多くの生命が失われて良い理由」がみえません。
爆撃されて破壊される病院・患者・学校・施設・難民の数々・・・
不安と恐怖が際限なく襲いかかってきます。
受験アドバイス
超難関校・難関校の出題をみると、「学問の在り方」「日本の在り方」「世界の課題」というテーマを主体的に考えることが要求されています。志望者は、一問一答レベルを超えていることに注意してください。大学の出題者は、「受験生に歩み寄る姿勢」を持っていません。「学問するものの姿勢と理解度」を優先して「高校の授業レベル」を無視しています。だから、お茶ゼミ√+の「レベルの高い講座」を受講することを勧めます。目線は高く設定するのが良いです。
私の独断と偏見ですが、出題者は、真摯に「高校の教科書」を検討していないと考えます。入試とは「そういうもんだ」と割り切って勉強するのが、賢いです。
VUCA(ブーカ)の時代
私たちはすでに「未来予測ができない時代」に入っているという意味です。
君は、先行き不透明で、将来予測が「全くできない時代」に活躍するのです。
VUCAは造語です。
- Volatility(変動性)・・・戦争のように、明日は何が起こるかわからない
- Uncertainty(不確実性)・・・確実に何かが実現できるという保証はない
- Complexity(複雑性)・・・多くのことが絡み合って「事件」が起こる
- Ambiguity(曖昧性)・・・未来もビジネスも人間関係も曖昧なことばかり
受験を控えた君にはピッタリです。VUCAを、「プラスに捉える」か「マイナスに捉える」かによって、後からついてくる結果が全く逆になります。
VUCAは君の生き方によって、異なる色彩を導き出すのです。ここが面白くて、怖いです。
受験アドバイス
現在の日本は「鎖国状態」です。海外からの留学性・労働者の交流が途絶えていますが、ビジネスでは「高度の技術や知識を持った人材が不足」しています。
特に、海外でビジネスを体験し、いろいろな国に親しい友人・知人を持っている「人材」が不足しています。コロナによって、高いレベルの情報を持った人材の交流が途絶えているのです。高度の交渉事は、市井の生活では見えないですが、国益を考えると深刻なのです。どんなにITの技術が進んでも、「分断」は避けなくてはならないことです。
人間の絆による「信頼関係」の構築は、一朝一夕にはできませんからね。君の受験勉強も「優秀な人材」になるための貴重な時間です。
アフリカのことわざ
「if you want to go fast, go alone; if you want to go far, go together.」
<早く行きたければ、一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め>です。
これは、「アフリカのことわざ」だといわれています。
2022年度の東京外大・後期に出題されていますね。記憶しましょう。
これは、岸田首相が2021年10月の就任演説で使ったことで有名になりましたが、「分断」から「協調」への理念をアピールしたことで、貴重なメッセージです。
岸田首相の演説の数か月後、ウクライナに「戦争」が起こったのは皮肉です。「分断」が進み「協調」が、ズット後ろにまわってしまいました。困ったことです。
グローバリゼーションという言葉も「死語」になってしまったかのようです。
早々に是正しなければ、「平和」が再現されません。
受験アドバイス
大学入試では、これまでも「印象的なことわざ」を有効に使った出題がありました。
各国・日本の政治家は「格言」「ことわざ」を有効に使って、自分の特色を演出しようとします。これは、入試と同じ発想です。だから、君は事前準備に、各種の演説を拾って学習の幅を広めるといいでしょう。典型的なものは、リンカーンの「ゲティスバーグの演説」・キング牧師の「I Have a Dream」ですね。
これから数年間のキーワードは「人新世」「BLM」「コロナ」「ヘイト」等でしょう。
津軽海峡に「ロシア船と中国船」が通る
日本を威嚇し、圧力を与えるように「ロシアの艦隊」と「中国の艦隊」の10隻が津軽海峡を航行(2021年10月8日)しました。2022年3月16日には「ロシアの艦船」が航行しました。ウクライナに向けてだろうと専門家が言っています。「こんなことが許されてはいけない」と腹を立てた人が多かったと思います。が、実は津軽海峡の中央はいわゆる「公海」で、たとえ核を装備した軍艦でも自由に航行できるようになっているのです。アメリカの艦隊も同様です。不穏ですが、日本は抗議できないのです。
君は、この機会に「公海」と「領海」と「排他的経済水域」について学習してください。また、1982年の「国連海洋法条約」について成立経過と概要を勉強しましょう。入試では「200カイリ」の排他的経済水域等が出題されると思います。
「共通テスト」では公民・地歴・英語の課題文とか、出題範囲が広いです。
昭和52年(1977年)に制定された「領海法」によれば、領海は基線から外側12海里までとされました。が、国際航行に使用される「国際海峡」は、特定海域として、基線の外側3海里の線が海域とされています。1海里は1,852m、3海里は5,556mですね。艦隊が航行するには十分です。津軽海峡の「中央部分は公海」とされていますから、いかなる国の艦船も自由に航行できるのです。
日本の国際海峡は「宗谷海峡」「津軽海峡」「対馬海峡西」「東水道」「大隅海峡」の五海峡です。これは特定海域とよばれます。覚えておきましょう。
受験アドバイス
筑波大学の中村逸郎教授が、「ロシアはモンゴルやナポレオンに侵入された経験があるので、外国からの侵入に対して排他的で、ブロックが強い」と、非常に刺激的な情報を提供しています。専門家です。
「公海」について、私たちの意識も低く、無防備に近い状態にあります。
が、2027年までに中国は台湾に侵入するだろうという人がいます。この機会に、国際法や「国の在り方」について、しっかり調べ・考えることが、入試の論述や小論文対策などで必要です。
右手に「国際平和」 左手に「国家利益」
VUCAの時代は「不透明」ですから、現実には「左手に国際平和」「右手に国家利益」のバランスをとることが、今後激しくなってきますね。
この間に「人間」を置くのが正しいと思います。「人新世」(Anthropocene)で、地球規模の変動があるとしても、核兵器を使ってまでも「国家利益」を追求しようというのは間違いです。その瀬戸際に立っているのが「現在」です。
国際平和を最大の目的として、次の五点は、避けて通ることができませんね。
①新型コロナウイルスによる世界的なパンデミック
どうしたらよいのでしょうね。コロナ禍で人々は分断され、人間関係の根本を傷つけてしまいました。パンデミックは国家間の闘争を激化させ、人類の破滅の危機であるとさえ言われます。
②デジタル技術の急速な進化
スマホの使用は当然になりました。AIについて抵抗がない時代に入りました。
2024年に、小・中学校でデジタル教科書が本格的に導入されます。CBTのテストが「普通」になる日が近いですね。
③気候変動・海洋汚染など、環境破壊の深刻化
地震・津波・山火事・火山の爆発・大規模な洪水・海洋汚染は生態系を壊し、もはや海洋の放射能汚染も危険な状態です。
④グローバル経済が引き起こす問題の複雑化
食糧・エネルギー・貧困などの問題により、「豊かな地域・少数者」と「恵まれない地域・多数者」の「格差拡大」が際限なく広がっています。おまけに「戦争」です。私たちがしっかりしなくてはいけません。
⑤社会構造の変化(日本国内の人口減少、人生100年時代、人口爆発)
日本国内の少子・高齢化は、日々の暮らしの根本を変えてしまいました。
発展途上国の人口爆発は、食糧・エネルギー不足の原因のひとつです。
受験アドバイス
大坂なおみさんが、テニスのプレー最中に出された「中傷的なヤジ」に傷つきプレーができなくなった事件がありました。
これに対して、世界的な一流のプレーヤーたちは、「これもテニスのひとつだ」「もっと強くならなくてはいけない」と声をかけました。誰も、鍛えられて強くなったのです。私たちは、この世界を襲っている難局を乗り越えるためにもっと「強く・逞しく」なりましょう。多くのことを俯瞰してみる実力と行動力をつけましょう。
お茶ゼミ√+からのご案内