Time is Money(時は金なり)とは~カネモチ・モノモチ・トキモチ~
はじめに
もうちょっと「時」があったら・・・
時間が欲しい・・・。時間が足りない・・・
君が「何かをやりたい」と思った時に痛感することですね。
漠然と目的もなく「無為に暮らしている人」は、時間にこだわりませんね。
時間はケムリのようなものです。
時間は「銀行に預けておけるようなもの」ではないからです。
さて、受験でも、時間が「たっぷりある」と錯覚している人はいませんか?
受験生は、まさに「時間」との勝負です。
人生とは「自分の時間である」という意味でもあります。
いま君は受験生です。時間を超えて自己実現を図る時(チャンス)です。
受験アドバイス
先日、癌にかかった友人の訪問を受けました。「自分が持っている時間が有限だ」と気が付いたので、「何を最優先にしたら良いのか迷っている」という相談でした。
当然、私が答えられるはずがありません。「いまやりたいことを最優先にすることじゃないの!」といったら、「君と話すことなんだ」と笑って応えてきました。私たちは、「昔の想い出」を語ることはしないで、「次の世代」のことを話しました。
可能性を秘めた若い人たちに貢献できることは何かと。彼の眼が輝いていきました。
「未来を描くこと」が、人間を元気にします。強くします。受験勉強も同じです。
Time is Moneyとは・・・
これは、アメリカのベンジャミン・フランクリンの言葉です。
彼はアメリカの独立・建国に貢献した外交官であり、政治家・学者です。
彼のこの言葉を翻訳したのが「時は金なり」です。
「Time」の中に、どんな意味が込められているのでしょうか。
フランクリンは合理主義者だから、<タイミング・契機・チャンス>というような意味を込めて使っていたと思います。
「Money」は、<価値のあるもの>ということですね。だから、単純に「貨幣・通貨」と捉えたら意味が分からなくなります。
彼は1749年に「避雷針を発明」した人です。君は知っていましたか?
バイタリティに富んだ「行動的な知識人」ですから、自伝を読むと、アメリカ人の「健全な精神」と「プラグマティック」な良さが伝わってきます。
受験アドバイス
入試の自由作文で「Time is Money」について自由に書けと出題されたら、どんなことを論述しますか。平易な出題のようでいて、実は難しい問題なのですね。「何を考えて」「どんな言葉で」「何を論じる」ことが期待されているのか。東大や一橋大を志望者としている人は、特に注意しなくてはならない問題です。
- 出題者は、どんなことを書かせようとしているのか。
- Timeをどう捉えるか。Moneyの考え方はどうするか。
- どのようなことを書いたら、高得点が取れるか。
安易に「時は金なり」という格言に飛びついてはいけませんね。お茶ゼミ√+の英語の優秀な先生(講師)はこうした問題が得意です。教養のある指導を受けてください。
ミヒャエル・エンデの「モモ」
「何のために勉強するのか?」と、中・高生になったら頭をよぎりますね。
そんな時は、ミヒャエル・エンデの「モモ」を読んで見るといいですね。
映画「The Never Ending Story」を観ましたか。こちらは「虚無」との戦いです。入試の総合問題・小論文・英文課題の素材ですから一読を勧めます。
学ぶ最終目的は「平和とは何か」「平和を守るために何をするか」でなければいけません。原爆を開発したオッペンハイマー博士・アインシュタイン博士らが到達した地点です。君は、ひたすら勉強に没頭しながらも、その向こう側にある平和を見ていないと「人生に狂い」が生じます。いまの戦争は、あってはならない「狂気」です。
受験アドバイス
何度も言いますが、入試は、限られた時間内に、指定された問題を、スピードよく答える競争です。割り切って対応してください。しっかり考えたらできたという能力ではなく、出題者の要求に如何に的確に答えるかということです。
だから「基本となる学力」は一定の範囲で決まっています。進学したい大学・学部・専攻が要求する「レベル」をしっかり把握して、計画的に準備しましょう。概要は「過去問」を見ればわかります。「時間不足」は、言い訳にならないのです。
「スマートウォッチ」と「暦」
君は「スマートウォッチ」を持っていますか。時間だけでなく、血圧を測ったり脈拍を計ったりと、健康管理もしてくれますね。スマホと連動させている人も多いですね。
人間が「時間」に気が付いたのは、太陽の動きに沿って、木の影や岩の影の長さに差異があることが最初でしょうね。やがて、太陽や月など「天体の観測」が進んで、種まき・収穫の時期を、日付・季節・時間が決めていったのだと思います。まさに農業を基本とした「探究学習」ですね。
「太陰暦」は、月の満ち欠けを基にし「太陽暦」は太陽の運行が基準ですが、両者をバランスよく配置して「太陰太陽暦」を使っている場合が多いですね。
60進法は、約4,000年前の古代メソポタミア文明・エジプトで考えられたものだといわれていますが、最近は「人工的」なことが多すぎて「自然の流れ」から切り離されてしまいましたね。夜空の星は美しいんだけどなあ!!
「雑学」ですが、むかし、昼・夜の変化と同様に「月の満ち欠けの周期」を知るために見張り人を立て、新月が初めて見えたことを「叫んで知らせた」時代もありました。ローマ暦で月の初日を「カレンデ」といいますが、これは「叫ぶこと」に由来したといわれ、「カレンダー」という語の由来です。
受験アドバイス
「太陰太陽暦」を、日本では「旧暦」とも呼びます。古文に出てくる睦月[むつき](陰暦1月)、如月[きさらぎ](同2月)、弥生[やよい](同3月)、卯月[うづき](同4月)、五月[さつき](同5月)、水無月[みなづき](同6月)、文月[ふみづき](同7月)、葉月[はづき](同8月)、長月[ながつき](同9月)、神無月[かんなづき](同10月)、霜月[しもつき](同11月)、師走[しわす](同12月)です。
これは、バビロニア、インド、ギリシア、中国などでも用いられました。「太陽暦」の起源はエジプト暦( シリウス暦)で、ナイル川の洪水予知のために用いられました。
カエサルにより1年を365日とし、4年ごとに1日の閏日をおく「ユリウス暦」が制定(前46)されました。 また教皇グレゴリウス13世により、さらに400年ごとに3回閏日を省略する修正が加えられました(1582年)。これが現行の「グレゴリオ暦」です。日本では明治5年(1872年)12月3日を翌年1月1日として、「太陽暦」が実施され、現在に至っています。
戦争が、時の流れを一変させた
ロシアのウクライナ侵攻で、時の流れが「前」と「後」で一変してしまいましたね。フィンランド・スウェーデンのNATO加盟申請により、ロシアに接する「中立国」がなくなり、新しい「鉄のカーテン」がつくられようとしています。東西冷戦時代への逆戻りです。厳しいですよ。
最近の動きでは、米欧はロシアへの「経済制裁」に踏み切り、ロシアは「核兵器とエネルギー」で米欧を威嚇しています。ロシアは天然ガスなど欧州の一部に供給していたエネルギーを止めました。これに反発した欧州は「脱ロシア依存」で対抗する方針をとりました。欧州には、妥協の空気は乏しいようです。
日本は欧米に足並みを揃えていますから、物価も上昇し、苦しい状況ですが「耐えるしかない」でしょう。中国の出方を見ながら、この戦争は「どうしても勝たなくてはならない」のですから。ウクライナ侵攻をめぐって「経済と安保が連動する展開」をみると、今年の入試の重要なテーマになりましたね。
受験アドバイス
5月11日に成立した「経済安全保障推進法」が規定するのは、半導体など戦略物資を「特定の国に依存しないサプライチェーン(供給網)づくり」です。また、現状では「台湾有事」をはじめ「東アジアでの不測の事態」は起こりかねないです。日本が、ロシア・中国と国境を挟んでいることを、もう少し重要に捉える必要があります。
先日のフィリピンの大統領選挙結果をみると、中国に接近し、日本が不利な立場に置かれる危険性を感じます。受験生は、こうした「今日的課題」に注視してください。
新しい「鉄のカーテン」とは
「鉄のカーテン」とは、1946年3月5日、イギリスのW.チャーチル首相が、ソ連とソ連圏諸国の閉鎖的態度を指して「ソ連の秘密主義を非難した」言葉です。チャーチルは「シュチェチンからトリエステまで“鉄のカーテン”が下ろされている」と述べたのです。これが、第二次世界大戦後の「冷戦」の状況をズバリ言い当てていたので有名になったのです。
これが、現在のロシアが始めた戦争と、NATOの対ロシア防衛ラインと合致するので「新たな鉄のカーテン」と表現されているのです。
経済活動が活発で、ヒト・モノ・カネの自由な交流ができるのは「平和」が前提ですが、すべての発想と行動の仕方が、「戦争というTime」の前と後で根底から変わってしまったのです。
受験アドバイス
YouTubeで、ウクライナの「ベロニカ」という5歳の少女の『お帰り春よ』という歌を聴いてください。純粋な少女の歌を通して「あってはならない現実の戦禍」を痛感しない人はいないでしょう。5歳の少女に「平和」を歌わせてはいけません。
時間は「絶対的」であると同時に「相対的」でもあります。時間を長く感じる時も、短く感じる時もあるように、時間もいろいろな表情を示します。「戦争」によって、時間は「暴力」「鬱」「いじめ」「引き籠り」「Time is Money」のカタチを変えています。
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