Blowin’ In The Wind  風の風景~いろはにほへと…の世界~

はじめに

風が吹いている・・・

北から、南から、ヨコから、ナナメから、吹いている。

目に見えない。感じても、手に取れない。中には爆風もある・・・

風は、遠くから「便り」を運んでくれる。嬉しいものも悲しいものも・・・

いろいろある中で、夢・希望が書いてある便りが嬉しい・・・

戦争のこと・コロナのことを運んでくる便りは悲しい・・・

楽しい風も、寂しい風も・・・近頃、風を感じなくなった人がいる。

多分、病んでいるからだろう・・・政治家も実業家も病んでいる・・・。

私は、若くて、元気で、やる気の風が好きである。

風が吹いている

“サァ~ッ“と通り過ぎて行った風が、木々を揺らせて、去って行く。

その時、風が過ぎ去った「あの日」をよみがえらせる。木の葉が揺れていた。

受験アドバイス

久しぶりに、環境考古学の本を読みました。『一万年前』(安田喜憲著)です。

環境考古学は、古代の人々は、どんな生活をし、何を食べ、どこで暮らしていたのか。考古学、動物学、植物学、文献史学、生化学、昆虫学、寄生虫学などの研究者たちが、遺跡や遺物の分析に取り組み、さまざまな環境問題を調査・研究・考察する学問です。過去と未来を繋ぐ風です。

「いろは歌」が伝えるもの

私は毎年、12月29日になると、友人の家族と「いろは歌」の掛け軸がある小料理屋で「ふく」を食べることにしています。元国語の先生の友人が、1年の締めくくりに、47文字の「誦文(ずもん)」(呪文を誦すること)の講釈を述べます。「いろは歌」は、いろいろなエピソードがあるので、年の暮れにピッタリです。

いろはにほへと ちりぬるを

色は匂えど 散りぬるを

<諸行無常>

わかよたれそ つねならむ

我が世誰ぞ 常ならむ

<是正滅法>

うゐのおくやま けふこえて

有為の奥山 今日越えて

<生滅滅己>

あさきゆめみし ゑひもせす

浅き夢みし 酔もせず

<寂滅為楽>

これは《涅槃経》の四句の偈(げ)〈諸行無常、是生滅法、生滅滅已、寂滅為楽〉の意をとったものだといわれます。形あるものは常に変化する。だから、自分に拘らず、自分を滅し、ダルマ(法)に従って生きれば、幸せで悟りを得ることができるという意味です。「大乗仏教の極意」無常観です。

作者は不明ですが、10世紀末から、11世紀半ばにかけて成立したといわれます。「手習いの手本」として受け継がれてきたものですから、君も知っているでしょうね。仮名の配列は字母表の「いろは順」として、中世から近世にかけて番号付けなどに利用されました。私の家の近くの貸駐車場でも「いろは順」で番号をつけてあるところがあります。

いろはにほへ
ちりぬるをわ
よたれそつね
らむうゐのお
やまけふこえ
あさきゆめみ
ゑひもせ

この歌は、左遷された人の歌だから、「罪なくして死す」という恨みの念が込められているというのです。なるほど・・・です。

受験アドバイス

私たちの忘年会は、「いろは歌」に隠された暗号をネタにして話すことから始まります。作者は、飛鳥時代の歌人である「柿本人麿(かきのもとのひとまろ)」や、平安時代中期の公卿(くぎょう)であった「源高明(みなもとのたかあきら)」だという説が有力ですが判りません。歌謡形式は七五調・四句「今様」です。

「ん」の扱いについて、最近は含まれているようですが、平安末期には「ん」がなかったといわれます。

Blowin’ In The Wind – Bob Dylan

ノーベル賞をもらった、ボブ・デュランの反戦歌です。私はPPMの歌唱が好きですが、ウクライナの戦争のことを思うと、ロシア国内でこの歌が再ブレークするといいと思います。次の歌詞を、自分で翻訳してみてください。

How many roads must a man walk down  どれだけ道を歩めばよいのか

Before you call him a man?  人間とよばれるまでに・・・

How many seas must a white dove sail  白鳩はどれだけ海を越えればいの

Before she sleeps in the sand?  砂浜を飛んで休むまでに

Yes, 'n' how many times must the cannon balls fly  (            )

Before they're forever banned?  (            )

The answer, my friend, is blowin' in the wind  友よ その答えは風に吹かれている

The answer is blowin' in the wind  答えは、風が吹いているだけ

アメリカの公民権運動や、ベトナム戦争の反戦歌として若者たちを中心に歌われましたが、「Z世代の君」はどんな受け止め方をするのか興味津々です。

次の文章は、「日本国憲法前文の一部・英語版」です。どんな翻訳をしますか?

We, the Japanese people, desire peace for all time and are deeply conscious of the high ideals controlling human relationship , and we have determined to preserve our security and existence, trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world

・・・前文は次のようですね。<日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した>

これが、現憲法の拠り所ですね。ところが、この「前提」が揺らいでいます。

というのは「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して・・・」です。この決意を、「外側から、ロシアの侵攻で破られてしまった」。では、どうしたらよいのでしょうか?「日本国を守る」「国家を守る」にはどうするか?

受験アドバイス

ロシアからの爆風が、人間を、世界を「分断」させています。罪なき子供が死に追い込まれ、逃げ惑おう市民たちに、空から爆撃が行われています。人間が、人間に対して行っているのです。これを正当化する理屈はありません。ウクライナの「ひまわり畑」は、第二次大戦の戦場でした。沢山の遺骨の上に花が咲いているのです。

ウクライナの「ひまわり」の下に遺骨がある
ウクライナの「ひまわり」の下に遺骨がある
映画「ひまわり」戦没者慰霊碑の前でウクライナ・ヘルソン州
映画「ひまわり」戦没者慰霊碑の前でウクライナ・ヘルソン州 【画像の引用元

すでに、ロセッティの詩「誰が風を見たか?」<Who has seen the wind / Neither I nor you>のレベルを越しています。

インドからの風; 色即是空 空即是色

この夏は猛暑です。インドの夏は、こんなもんじゃない。だから、インドから吹く風は、人間は「実体がない存在だ」と伝えてきます。人間は五つの要素からできているといいます(五蘊)。この肉体を「色」といい、これを構成するものは「受」「行」「識」「想」だというのです。

五蘊
五蘊。色を真ん中においたらわかり易い 【画像の引用元

知識を持つこと・考えること・行動すること・感じることと考えたらわかりやすいですね。これは「般若心経」に書かれていますから、君も知っていることと思います。「色即是空」「空即是色」で有名ですね。私たちには、三蔵玄奘が漢語に翻訳したものに馴染んでいますが、鳩摩羅什も、義浄の漢訳もあります。

「般若」とは知恵という意味です。「波羅蜜多」とは、悟りに至るための行動で、インド語をそのまま使っていますから(音写)わかりにくいですね。この教えは「大乗仏教」ですが、タイ・ミャンマーなどに広がった「小乗仏教」では、大量にある経典のうちのひとつにすぎないようです。

『般若波羅蜜多心経』玄奘三蔵訳
『般若波羅蜜多心経』玄奘三蔵訳 【画像の引用元

ITに革命を起こしたスティーブ・ジョブスもビートルズのジョン・レノンも「般若心経」を心の支えにしていたと言われます。「無」の思想です。レノンの「イマジンの歌詞」の中で「no」が頻繁に使われていますね。例えば・・・

  • no Heaven(天国)
  • no hell(地獄)
  • no countries(国家)
  • nothing to kill or die for no religion (宗教)
  • no need for greed or hunger(貪欲・飢餓)
  • no possessions(所有)

受験アドバイス

ジョン・レノンのイマジンはパートナーの日本人・オノヨーコさんとの共作だともいわれます。下記の歌詞を翻訳してください。

Imagine there's no Heaven

It's easy if you try

No Hell below us

Above us only sky

Imagine all the people

Living for today

Imagine there's no countries

It isn't hard to do

Nothing to kill or die for

And no religion too

Imagine all the people

Living life in peace

ロシアからの風は、止まらないのか?

「もうしばらくの間、元には戻りそうもない強風」が吹いていますね。

ロシアが始めた戦争の風は、ここまで来たら止めようがない気さえします。

困ったことです。

今もウクライナで人が殺傷されています。平和の風は吹かないのでしょうか?

世界はひとつであって欲しい。そうあるべきだという理想論は、ロシアの強風で飛ばされてしまいました。美しい世界国家のイメージは、もう通じません。

「国連の機能」も、根本から立て直さなければならなくなりました。

いまや、ウクライナの人々は「自由や民主主義」のために戦うということ以前に、目の前に出現した「理不尽な侵略」「自国の文化の否定」「自分の日常生活の破壊」に対して生命を賭けて戦いをしているのだと思います。矜持と、人間としての尊厳の戦いです。

核兵器という最終兵器の使用をちらつかせながら、①ロシア・中国を中心とするグループと、②アメリカ・EU・日本を中心としたグループが、しのぎを削っている。私は、この時代は「不幸なことに、今後最低50年間は続く」のではないかと危惧しています。

最近、防衛省が発表した「中国・ロシアの海軍艦艇の動き」(2022・6・30)をみると、まるで「臨戦態勢」を示唆しているようです。

日米同盟に対するデモストレーションでしょうが、不愉快な「挑発」ですね。

<平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会>という日本国憲法の前提までが、非常に怪しいものになっていましたね。困ったことです。怖いことです。

受験アドバイス

G7サミット(主要7か国の首脳会議)が、2022年6月にドイツであり、日本の総理大臣も参加しました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が長期化する中で、ロシアに対する圧力の強化やウクライナへの今後の支援・侵攻について議論したのです。

また、世界的に懸念が高まる食料危機への対応などが主要な議題でした。こうした動きに対して、ロシアは「サハリン2」の運営主体の再編を命じるロシア大統領令だしたのですね。(2022・6・30)。このような「混沌」と、先行き不透明なままの状態で、「何かの風」が吹いたなら、日本はいつ・他国の侵攻を受けるか「わからない」と思います。君も政治に無関心ではいられませんね。

(安達昌二:お茶ゼミ√+特別顧問)

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