トルコ地震:「疑問」を持つことから始める・・・~立ち止まることがない人の営み~
はじめに
トルコ・シリアに巨大な地震がありましたね。
余震は、まだまだ続くと予想されています。瓦礫の下から救助される人・・・
泣けてきますね。どうして、こんな災害が起こったのか?
災害の裏にどんなことが隠されているのか。私たちは、何をするべきなのか?
新学期になりますね。
君は、これから1年間、どんな日々を過ごすつもりですか?
来年の今頃の自分の姿を、イメージできていますか?
「夢」を実現するために、どのように「創造的に生きる」つもりですか?
「新型コロナ」も「ウクライナ侵攻」も簡単に収まりそうもないですね。
Chat GPTなどに拠る「AIの利用」で、受験環境が激変するでしょうか。
共通テストも、私立大学の入試も、今以上に考える力を要求するでしょう。
受け身になったら、「渦」に飲み込まれてしまいます。
自分を鍛える姿勢がない人は危険です。
その積み重ねが、30年後・50年後の君の姿ですから・・・
何歳になっても「如何に生きるか」が問われます。如何に生きたかではない。
「天から授かった命」をまっとうすることが人生です。
受験アドバイス
ホイジンガ―(オランダ)の「人間は遊ぶことにより進化する」という『ホモ・ルーデンス』を読むと良いでしょう。84年前の作品ですが、新鮮です。最近流行のブレイクダンス(ブレイキン)をみると、「遊び」なのか「スポーツ」なのかわからなくなります。テクニック・スピードが凄いです。次のパリ・オリンピックの競技種目になるそうですね。「時間を楽しむ」という人生観が普及したからでしょう。楽器演奏、スキー・スケートも保護者世代より、上手な人が多いです。顔を出さない「すとぷり」のようなアイドグループのイベントも盛況のようです。君が50歳になった頃、どんな「生き方をする人」が多いでしょうね。
トルコ地震は「なぜ」あれほど大きくなったのか
人生を豊かにするためには「疑問を持つこと」から始めるといいです。「なぜ?」という問いを持つことです。
「なぜ、トルコ・シリアの地震は、あれほどの規模になったのか?」という疑問が、君の成長に役立つのです。地震という「事件」でも疑問を持つと、その陰に「人災」の部分が見えてきます。マスコミの情報によれば、「ずさんな都市開発」「違法建築」で180人以上が逮捕されたといいます。その中には、トルコのある都市の「市長」まで含まれているといいます。滅茶滅茶ですね。
違法建築で、耐震基準を満たさない「パンケーキクラッシュ」という現象がおこり、ビルが崩れていく様子も報道されていますね。
私は、東トルコ・シリア・ヨルダンなどを旅したことがあります。ここは砂漠の民の土地です。「べドウィン」はたくさんの部族に分かれますが、「遊牧の民」ですから、安易な建築でも「強い疑問」を持たなかったのかもしれません。地震が起きた土地には、中東の混乱で国外に脱出できなかった「難民」がたくさん住んでいるといわれます。詳細は不明です。
中東の民の「安易さ」「貧しさ」「したたかさ」「曖昧な知識」「管理のずさんさ」が、大きな被害を引き出したことを「軽視」してはいけないです。
「人道的な難民救済」というにはほど遠い「課題」が多いです。
受験アドバイス
私が異文化を痛感したのは「中東の人」との出会いです。世界は、広くて面白いです。しかし、私たちと「異なる価値観・生き方」をしている人が多いです。否、日本人の考え方が少数派です。ヘイト・偏見もこの価値観の相違からくるものが多いです。サッカーが好きな人は「中東のサッカー」「中東の笛」を知っているでしょう!「砂漠の民」を、私たちと同じ価値観で行動すると考えてはいけません。砂漠の中では生き残れないからです。ここに君が学ぶ「国際関係の難しさ」があります。
新しい宇宙飛行士候補が誕生した・・・
JAXAの新宇宙飛行士候補として、米田あゆさん・諏訪理さんの2名が選ばれましたね。今回は、14年ぶり、1427名の応募者の中から選抜されたというのです。「宇宙の夢」を見せてくれた松本零士さんが亡くなりました。合掌。
「未知の世界への疑問・探求」は、宇宙だけでなく、いろいろな分野で進められています。先日、テレビで紹介されていましたが「沖縄科学技術大学院大学」(OIST)に集まった世界的な研究者にも期待できますね。ネアンデルタール人のDNAを読み取り、現代人との関係を系統的に解明したスバンテ・ペーボ012博士は、2022年のノーベル生理学・医学賞を受賞しましたね。
未知への探求は「疑うこと」から始まります。私は「人類の起源」(鎌田健一著)を読んでいますが、興味深く、面白いです。勧めます。
受験アドバイス
君は、量研(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構)という組織を知っていますか?私は詳しくないですが、ここのHPをみると、日本の先端医療の研究がされていることが判ります。認知症などの研究も推進されているのです。医療の研究者を目指す君に丁度良い研究所だと思います。君が生涯を通じて勉強し、社会貢献する場として適切ではないかと思います。いまは大学入試ですが、君には前途があります。
「生き方の選択」をする・・・
吉野源三郎著「君たちはどう生きるか」は、現在の君にとって重要な本です。
旧制中学で学ぶ若者の物語ですが、なぜか現代の若者にも受けていますね。
これは、いつの時代であっても、人間は「試行錯誤を繰り返す中で成長していく」ものだということを伝えてくれています。
この中で「コペルニクスのように、自分たちの地球が広い宇宙の中の天体の一つとして、その中を動いていると考えるか、それとも、自分たちの地球が宇宙の中心にどっかりと坐りこんでいると考えるか、この二つの考え方というものは、実は、天文学ばかりの事ではない。世の中とか、人生とかを考えるときにも、やっぱり、ついてまわることになるのだ。」という一節が心に残ります。
私は「前者」ですが、友人には「後者」が多いです。君は、この「どちらを選択」しようとしていますか?
受験アドバイス
最近、君のZ世代は「時間の使い方が上手になったな」と思っています。スポーツ・ゲーム・旅の仕方など・・・個人でも、仲間とでも、遊ぶこと・楽しむことが上手ですね。自由な時間を「主体的」に過ごしているのです。フランス人のベルグソンは「なぜ?」という疑問を持ちながら、「創造的に生きること」を提唱した哲学者です。
彼は、従来の進化論を疑い、“生”を「下向するもの」と「上向するもの」に分けて考えています。「上向するもの」の創造力を大切に考えています。そこから植物・動物・人間の三者が生まれるというのです。『エラン・ピタール』『創造的進化』を深めてみてください。
晴耕雨読のウソ
「60歳で定年になりました。が、とてものんびりと過ごせないです。まだ100歳まで40年もあるのですから、どうして過ごしたらよいか迷っています」という友人からの相談がありました。進路の悩みですね。「いかに生きるか」は、若者だけでなく、熟年の人にとっても深刻な課題になっています。
「祖父は、『趣味もなければ、やることもない』とボーっとしていますが、どうしたらよいでしょうか?」という相談もありました。休日は、テレビをみたり、自動車で遠出をしたり、パチンコが趣味だったので、長期間・長時間の休日は持て余すのです。「遊び方を学んでこなかった」からです。
リタイア後の人生設計は「晴耕雨読」「悠々自適」だといっていた人が、70歳を過ぎてから「全てをやってしまって、もうやることがない」と無為に時間を過ごしています。そうでしょうか?
受験アドバイス
私が最も尊敬している人は、井倉照久先生です。有名人ではなく市井の元気ハツラツとした95歳の男性です。静岡に住む徳川家臣団の一員です。
井倉先生は、「WOMB=子宮家の同胞」という<人間が誕生する前の世界>の作品を多数描いています。私が、静岡県教委の生涯学習の担当者だった頃の上司です。書道・絵画・写真・篆刻・能面打ち・謡曲を楽しむ「知性が豊かな人」で、シニア卓球の入賞者です。徹底した自己管理で生命力豊かな教養人です。私の「目標」です。
高齢になっても、成熟しない人が多い
人間は年齢を重ねるごとに「成熟する」といわれていましたが、そんなことはありません。厚化粧をした高齢の女性。無為に時間を持て余す男性。自動車の当逃げ・万引き・パワハラ・・・「高齢者の犯罪」が騒がれています。(苦笑)
「いくらあったら老後が安定するか」という証券・保険会社のCMが目立ちます。オレオレ詐欺が減らないのは、高齢者の無自覚・勉強不足にも原因があります。介護・福祉の問題も深刻ですが、大切なのは本人の「人生の捉え方」と「行動力」です。高齢になると「考え方の格差」が大きくなります。
受験アドバイス
余暇とは、「生命力を持った自由時間」のことです。余った暇(ヒマ)ではありません。
私たちは「天命」を授かっています。天は「人を超えた存在」です。私たちは、天から授かった生命をまっとうする義務があります。「天」は「地」の対義語です。天と地が全ての出発点です。天命は「創造的に生きる」中で少しずつ把握できるものです。
いい加減に生きたら、天命を知ることはないのです。君はいま何に関心を持っていますか。若い時は、「何でもやってみるといい」です。やがて、できないときが来るのですから・・・。好奇心を燃やして、貪欲に、何でもやるのがベストです。目前のことを「超える力」が欲しいです。「高齢者の成熟」は天命を知ることを意味します。
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