復活と再生と愛の物語~らせん状に生きる力~

はじめに

人は何度も失敗するし、挫折します・・・

そのたびに立ち上がって、「次の世界」に走っていきます・・・

振り返っても「どうしようもないこと」は、切り捨てて「次」に進むのです。

私も、沢山の失敗と挫折をしてきました・・・

しかし、「この旅は終わらない」です。まだまだやりきっていないからです。

復活し、再生するためには、10年も30年もかかることがあります。

受験でも同じです。

現在のテストに「不合格」でも無能ではないのです。

失敗しても、自分の「器」を小さくだけにはしないように・・・。

復活と再生するためには、チャレンジのエネルギーが必要ですから・・・。

復活した人を見ていると、必ず「後に続く人」を意識しているのですね。

いま、新しい緑が輝いています。野に山に行かなくても、小さな庭の緑が眩しいです。柔らかな新芽が、次第に逞しい緑に変色していく様子は見事です。

しかし、先日までこの緑は茶色の木で、枯れていたのです。

今回は、生命の再生と復活と愛について考えてみましょう・・・

コラム【蘇れ!生きる力!】

病気になって、命の輝きを失っている友人がいます。最近「咽頭癌」になってしまい、食事をとることができなくなったのです。医師ではない私には施しようがありませんが、常に接触することを心掛けています。彼はひたすら「生きたい」のです。

頑張っている人に「頑張れ!」は無効ですね。現在でも、癌の治療薬が十分に開発されていないのです。「生きることに頑張っている人」の拘りを身近に見ていると、健康な人間の「わがまま」に憤りを覚えます。医学・薬学の志望者に期待しています。

没落していくものと、興隆していくものと

チェーホフというロシアの作家の戯曲が、私は好きです。

君も『かもめ』『ワーニャ叔父さん』『三人姉妹』『桜の園』という、19~20世紀のロシア革命前夜の崩壊していく階級・家族をテーマにした劇を見る機会があるでしょう。新興勢力の台頭を背景にして、崩れ行く有産階級の「虚無」と「不安」を基調としていますが、かすかな未来への「希望」を、悲劇といわず喜劇として演ずることを作家は添え書きしています。人間の一生は悲劇でもあり喜劇でもあるのです。演出家は苦労しますね。

三人姉妹
三人姉妹 【画像の引用元
チェーホフ(ロシア)
チェーホフ(ロシア) 【画像の引用元

人間はとかく目先の損得で振り回されがちですが、「未来」を見て「夢」を持っている人は「強い」です。

コラム【興隆するAIの留意点】

AIにより、既存のシステムが根本から揺るぎ、新しい力が伸びています。

そのために、「生成AIへの規制」などが議論されていますが、先日、専門家が「AIは機械学習に過ぎない点を軽視」した新聞記事を書いていたので、唖然としました。入試に関係することなので敢えて書きますが、「生成AIは大量のデータ・資料」を機械に記憶させていなければ、能力を発揮できません。その記事では、「東大の世界史の記述問題(22年)」を、有名予備校の講師が「0点だ」と評価したという内容でした。当たり前です。この問題は「トルキスタン」についての1000年の経緯を論述させるものですが、トルキスタンの歴史を記述した論文は非常に少ないのですから。「生成AIに入試問題の解答を書かせようという出発点」から間違っているのです。AIの著名なプロが間違えてはいけないことです。このようにプロが基本を間違えるのですから、私達はよほど留意しなければなりません。

「空飛ぶクルマ」と新しい可能性

挫折や失敗をそのまま終わらせるのでは知恵がありません。成功より「失敗から学ぶ」ことが多いからです。挫折・失敗の原因を突き詰めていくと、やっぱり「理由」があるのですね。私の経験では「こうならざるを得なかったのだ」と、後日納得した事例が多かったです。逆に「生き残った理由」もあるのです。だから、発想と行動を変えて「新しい可能性」を探す方が賢明です。

発明・発見に必要なものは「逆転の発想」です。悲しみに中に浸りこむのは「短時間」でいいのです。パスカルの「考える葦」と同じです。

復活するセミ
感動する女性

最近、私が注目していることはふたつです。「新しい可能性」と「飛躍の芽」です。ひとつは「空飛ぶクルマ」、もうひとつは「AIによる医療改善」です。

空飛ぶクルマ
空飛ぶクルマ 【画像の引用元

空飛ぶクルマはドローンと旅客機の「中間的な位置」で捉えていますが、離島・山間部の移動手段として、革命的な可能性を持っています。大都市の交通渋滞の解消にも役立つでしょう。最近「空飛ぶクルマ」の実験を知りましたが、島から島へ自動車が飛んでいく。離島・過疎対策を「空からの視点」で捉えると、異なる世界が見えてきます。EVが工夫されると、新しい展開です。

全国の遠隔地の医療・教育もリモートで行う時代が来ました。AI(人工知能)を活用した画像認識や、疾患の予測・診断などが可能になるのです。「IMACEL(イマセル)」という画像解析プラットフォームもありますね。AIを利用することで「創薬の研究・開発」が進歩するでしょう。君が活躍するステージです。

コラム

PISAの調査(2018)によると、世界中でeラーニングが進んでいる国家は、スイス・フィンランドで1位・2位ですね。山間地など交通の便が悪いことを「逆手」に取って、新しい開発を試みた結果だと思われます。離島・過疎化問題も「新しい観点」で捉えると可能性が見えてきます。いま、不利なこと・悔しいことをそのままにしておかないで、変えていくには「意志の力」が必要です。模試でも定期テストでも、人生のすべてで言えることです。

人生は、らせん状なものです

「直線」で人生を考えると、必ず行き詰まります。しかし「らせん」で考えると、下降したものが、時間の経過とともに上昇します。

人生はらせん状

天空を観察して「360度」を発見したのはシュメール人だと言われます。その中で、天空に繋がる螺旋のイメージも生まれたでしょうね。現在私たちは十進法で考えることが多いです。例えば、123という数字は<1×102+2×101+3×100>と表されます。が、1時2分3秒といった時間の表示では六十進法が用いられていますね。六十進法(Sexagesimal)は、60をベースとして数を表す方法ですから、こんなことも「探究学習」で調べていくと面白いです。六十進法は、紀元前三千年頃にシュメール人によって考案され、バビロニアに受け継がれ、現在の私達にまで影響を与えたものだと考えると楽しいですね。時計を見て、時には六十進法を思い出すのもいいですね。

コラム【エジプト神話の「復活と再生の物語」】

エジプト神話は、まさにオシリスとイシスによる「死と再生の物語」です。

「死者の書」アアルの野
「死者の書」アアルの野 【画像の引用元
オシリス
オシリス 【画像の引用元
セト
セト 【画像の引用元
イシス
イシス 【画像の引用元

オシリスとセトは兄弟ですが、王位を継いだ兄を妬んだセトはオシリスを殺害します。が、オシリスの妻イシスやホルスが協力してセトを倒し、ホルスがオシリスの跡を継いで復活する物語です。これは、紀元1世紀にギリシャの歴史家プルタルコスが紹介したものですが、ギリシャ神話と異なる楽しさがあります。神話でも「愛が復活を支える」のです。「太陽が西に沈み、東から蘇る」という生と死の循環を神話が語っています。

「愛」とは・・・

私は、やさしい人・思いやりがある人をたくさん見てきました。近くでは、支援学校に通う子供たちに寄り添うサポーターです。「愛は行動である」を実践しているのです。また、心に傷を負った人には、明確な「愛の力」が必要です。生きる力を復活させるために愛は必要なのです。

愛の力

アリストテレスは、このような愛をギリシャ語でフィリアー(φιλία・友愛)といいました。「人間性の良さ」から生まれるものです。これは君も持っていますね。

ギリシャ語には「愛」を表現する言葉が四つあります。エロース(ἔρως・肉体的な愛)・フィリアー(φιλία・友愛)・アガペー(ἀγάπη、自己犠牲的な愛)・ストルゲー(στοργή・家族愛)です。このすべてが日本語では「愛」と訳されています。

アリストテレスは、「フィリアー(友愛)」を分析して、このほかに①快楽的なもの、②利益によるものを述べています。

プラトンとアリストテレス(「アテナイの学堂」より)
プラトンとアリストテレス(「アテナイの学堂」より) 【画像の引用元

古代ギリシャ神話は、「生きる力」として性愛を率直に表現しています。半島を南下してきたギリシャ民族が持つエネルギーを、神話が伝えているのです。

「エロース」は、生きる力そのものです。極めて本能的な「肉体的な愛」です。英語では、キューピットですね。主神である「ゼウス(ジュピター)」をはじめとして、神々の「生きんという意志」は凄いです。「肉体的な愛」ですから、キリスト教の「ストイックな愛」とは真逆です。これをプラトンは哲学に昇華させています。これ以上は、自分で調べてください。

プラトンは「何よりも美しいもの、秩序あるものへの愛」がエロースであるといいます。そして美と秩序は、イデア界・感覚界にわたって張り巡らされていて、エロースは「イデア界」と「感覚界」を結びつけていると考えています。全ての絆は愛ですね。わかり易いです。

アガペー

「アガペー」は、「神が人間に与える無償の愛」を指しています。これがキリスト教に採用されています。エロースが「奪う愛」であるのに対して「与えられる愛」と考えるとわかり易いです。

月とウサギ

さて、「慈愛」は仏教的な愛です。生きとし生けるものに対する「慈悲の心」は、他の生命に対して楽を与え、苦を取り除くことを望む「愛の働き」を指しています。『ジャータカ』は仏教説話ですが、「なぜ月にウサギが住んでいるか?」ということにまつわる話が含まれています。「自己犠牲の愛」の話です。探求してください。

コラム【福音書の中の愛の言葉】

新約聖書の福音書にある「パウロの手紙」は「愛の本質」を述べています。

「愛は寛容であり、愛は情け深い。妬まない。愛は高ぶらない。誇らない。無作法をしない、自分の利益を求めない、苛立ない、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。愛は絶えることはない。いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛の三つである。このうち、最も大いなるものは、愛である」(コリント信徒への第一の手紙)

(安達昌二:お茶ゼミ√+特別顧問)

相談・見学だけも大歓迎!

首都圏トップレベルの
授業・講師を体験しにいこう
無料体験授業
料金などを知りたい方へ
資料請求
直接質問をしたい方へ
受講説明会
無料体験でできること

志望校合格へ向けての
プランや課題を知りたい‥‥そんな方へ無料授業にてご相談を承ります

「お茶ゼミ√+」は、首都圏トップクラスの講師陣が授業を担当し、
生徒一人ひとりに合わせた指導を行っています。
まずはお気軽にご相談ください。

無料体験授業の特長

選べる講座のラインナップが豊富
手厚い事前フォロー
予習の仕方をレクチャー
学習カウンセリング ※希望者のみ

お問い合わせはこちらから

受付時間
月~土 13:00~19:30
日 13:00~17:30