慶應義塾大学法学部FIT入試
慶應義塾大 法 法律 FIT入試(A方式)
- 資料提供者自己平均値:4.8
- 出願時の外国語検定スコア:英検準1級 CEFR C1
- 提出書類(志願者調書、志望理由書、自己推薦書、調査書等)講義論述、口頭試問
講義論述
- 時間
- 模擬講義50分 解答45分
- 文字数
- 2240字以内(A3原稿用紙形式)
- テーマ
- SNS上の誹謗中傷について
口頭試問
- 時間
- 15分程度
- 面接官
- 2人
- 会話
- 日本語
- 内容
- 最初に自己アピールを2分間お願いします(面接官の前に砂時計が置かれて2分間計られる形でした。残り時間を大体目で見ながら確認できました)。
- 近年、臓器移植の売買を許可する動きが出てきています。これに対してあなたの見解を教えてください。
- 現在は売買を禁じていますが、その法律を改正すべきだと言うことですか?
- 倫理的な問題とはどういうことですか?
- 証券会社のように高齢者に購入を迫ったりすることがダメということですね。
- 闇市などができかねませんがそれはどうしますか?
- (おそらく私の志望理由書を見て)あなたは資本のことなどに興味があると思います。もし売買が許可されたら、その市場は巨大になることが予想されますがそれについてはどう思いますか?
推薦入試の受験動機と受験を決めた時期
最初は、慶應義塾大学という大学自体にぼんやりとした憧れが、中学生の頃くらいからありました。そこから自分の興味のある学部はどこだろうと考え、法学部に行きたいと思ったのとFIT入試の存在を知ったのが同時くらいで、高校に入る少し前くらいだったと思います。
学校内外での活動等
学校では運動部の経験が中学高校6年間、委員会活動を3年間していました。そのほかに特に外部で主だった活動はしていなかったのですが、FIT入試について調べるうちに、活動実績よりも志望理由書に書く研究への熱意や結果に関わらず、今まで行ってきたことに現れる姿勢のようなものをアピールすればいいのだと思ったので自分にもチャンスはあるのではないかと思いました。特に私が頑張ったこととして書いたのは、部活動と委員会活動、そして英語の検定試験、書道の受賞歴です。
具体的に行った対策
二次試験のために行った対策は、公民の基本と現代の社会問題を広く知ることです。具体的には『池上彰のLIVE!現代社会』という資料集と『朝日キーワード2023』を使いました。資料集は、例えば「民主主義とは」「選挙の仕組みとは」「三権分立とは」くらいの基本レベルの話を、きちんと理解し自分の口で話せるくらい読み込みました。『朝日キーワード』は社会問題を知りたいと思って読んでいました。私は図書館で手に入ったのが朝日新聞者のものでしたが、他のところでも同じようなものを出しているのでどれでもいいと思います。ただ読むだけでも対策になりますが、二次試験直前は、記事を読んで自分の意見を頭に思い浮かべてみるということを、口頭試問の過去問を見るのと同時並行で行いました。
後輩へのアドバイス
書類を作るにあたってお茶ゼミの慶應プレミアムと夏期講習、二次対策講座を受講しました。個人的に後悔しているのは、高校1年生の頃くらいからぼんやりと私はFIT入試を受けるんだろうな、そして書くならこのテーマが良いなと考えていたにも関わらずしっかりと調べ始めたのが高校3年生の春過ぎになってからだったということです。活動実績はその華やかさよりも、自分の志望理由や興味関心分野に深く関わりがあることを純粋に取り組んでいることが大事だという印象を受けたので、早くから自分の興味があることを色々と調べてみることが本当に大切です。そしてこれは書類の添削を受けると再三言われることですが、取り上げる問題が「自分ごと」であることも大事だと思います。この入試形態は正直言うと正解がないので不安な時間も多く、万が一落ちてしまうと一般選抜受験にかけられるはずだった時間を失ってしまうなどリスクもあります。私自身本当に何回もやめようと思いました。でも、「どうせここで落ちても一般選抜で受かってやるんだ!」をスローガンに、高校3年生の夏から9月いっぱいは総合型選抜に全振りしました。自分の書類に自信を持つことはもしかしたら最後の瞬間まで難しいかもしれませんが、とにかく落ちても後悔しないくらいまで一生懸命準備することが大事だと思います。「これだけやって落ちるなら仕方ない」と思えるまでやってみたら、きっと結果がついてきます。
慶應義塾大 法 法律 FIT入試(B方式)
- 資料提供者自己平均値:4.5
- 出願時の外国語検定スコア:英検準1級 CEFR B2(取得した年月:2022年7月)
- 提出書類、論文(総合考査)、面接
論文
- 内容
-
- 総合考査Ⅰ
- 初めに図から読み取れることについて200字程度でまとめ、それをふまえて環境にやさしい食生活はどのようなものだと考えるか200字程度で述べました。
- 総合考査Ⅱ
- SNSでの批判は意見表明のひとつの形である。「批判がスムーズに法案を通すことを妨げている」という指摘に対して、批判をして法案に対して問題提起し議論を行うことが、民主主義の実現に必要なことだ。これらの内容を「SNSに書き込まれた1ユーザーからの批判に対する反論」という状況設定から、一人に自分の考えを話すような文体で書くよう心がけて400字で書きました。
面接
- 内容
- 志望理由を教えてください。
- その問題に取り組んだきっかけは?
- 合意形成の着地点はどこだと思う?
- 大学で具体的に学びたいことは?
- 高校時代頑張ったことは?
- その委員会はどんなことをやっているのか?
- 大変だったことは?
- 学校と生徒の合意形成をする上で何を意識した?
- 高校で印象に残っている先生の授業は?
推薦入試の受験動機
B方式では、活動実績があまりなくても、自分の経験やそこから得た学びが明確ならば合格の可能性はあるように感じたため。
受験を決心した時期
高校2年生の秋です。
学校内外での活動等
部活と委員会活動に中学高校6年間打ち込んでいました。特筆できる実績や学校外での活動実績はありませんでしたが、部活では団体で賞を、委員会では委員長を務めた経験があり、志願者調書等ではその経験から得たことを書きました。
具体的に行った対策
志望理由書などの書類は難関推薦の講座で見ていただきました。何度も書き直して添削をしていただき、少しずつ良いものに近づけていきました。書類は練る時間があればあるほど完成度が高まると思うので、早くから始めることをお勧めします。また高校2年生の秋から慶應難関論文の講座を受講し、小論文の対策をしました。一次試験の合格発表後は二次試験対策講座で小論文や面接の対策をしていただきました。特に面接は4人の先生にそれぞれ見ていただき、様々な視点から質問してくださったことで自分の考えも深まり、本番も落ち着いて臨むことができました。
後輩へのアドバイス
FIT入試の準備は時間がかかりますので、なるべく早く取り組み始めることをお勧めします。私は高校3年生の4月の時点でまだ志望理由書のテーマがぼんやりしていて、書類を書き始めるのが遅くなってしまいました。また時間がある時期にテーマに関連する書籍や論文を読んだり、実際その問題に取り組んでいらっしゃる方にお話を伺うなど情報収集をしておくことが大切です。どれだけ自分のテーマについて知り、自分の考えを深められるかが重要だと思います。
慶應義塾大 法 政治 FIT入試(A方式)
- 資料提供者自己平均値:4.8
- 出願時の外国語検定スコア:英検1級/CEFR B2(2020年12月取得)
- 提出書類(志願者調書、志望理由書、自己推薦書、調査書等)講義論述、口頭試問
講義論述
- 時間
- 模擬講義50分 解答45分
- 文字数
- 2240字以内(A3原稿用紙形式)
- 講義のテーマ
- 「多様性」の過去と未来
- 設問の内容
- 講義の内容をふまえたうえで、社会における多様性のあり方について、あなたの考えを述べてください(資料は講義全体の目次と、講義の中で触れる参考資料であった)。
口頭試問
- 時間
- 15分程度
- 面接官
- 2人
- 会話
- 日本語
- 面接が1番目だったので時間になるまで先生2人と軽くやりとりした。
- 口頭試問の開始前に2分で自己アピールを兼ねた自己紹介を行う。
- 2分間は砂時計、ある程度生徒にも見える。
- 先生方の手元に志願理由書等はない(おそらく)。
- 内容
- これから、夫婦の姓ないし苗字に関する制度について、質問します。日本では、男女が法律上の結婚をするためには一方の姓を選び、他方がその姓を変えなければなりません。そのため、男女が別姓のまま婚姻届を提出しようとしても、その届出を受理してもらえず、法律婚をすることができません。このような制度について、あなたはどう考えますか。
- 多くの政治家たちは夫婦別姓に反対しているがなぜだと思うか?
- どうやって政治家を説得するのか?
推薦入試の受験動機
高校生活の中で積極的に取り組んできた課外活動を入試に生かすことができる点も魅力的でした。
受験を決心した時期
FIT入試を受けようと思った時期は、高校3年生の6月ごろです。そこからぐだぐだしているうちにすぐ8月になってしまいFIT入試の資料作成を始めたのは8月頃でした。
学校内外での活動等
学校内では、期末勉強をそれなりに頑張っていたので成績は高い方でした。学校外では、子ども食堂でボランティアをする学生団体の運営側を経験したり、模擬国連大会に出場したり、エコノミクス甲子園に出場してみたり、地方創生のコンテストで入賞したりと様々な活動を行いました。興味を持ったことにはとりあえず何でも挑戦していた印象です。それが結果的に、FIT入試の提出資料の材料になっていました。ただ、早いうちからFIT入試を受けることが視野に入っているなら、自分が将来やりたいこととつながりのある活動を中心に参加していくことが最も効率的だと思います。
具体的に行った対策
志望理由書はお茶ゼミの夏期講習を利用しました。講座終了後も先生にアドバイスを乞い、8月下旬には志望理由書を完成させることができました。自己アピールの紙については、私が一般選抜の勉強で時間がなかなか取れなかったこともあり、家族と分担して取り組みました。口頭試問については、何を聞かれるのか全く分からない状況でした。しかし、お茶ゼミで1週間くらいの間、集中的に対策を行い、相手に聞かれたことにしっかりと答える訓練を積んだおかげで本番は焦らずに受け答えすることができました。どんな質問に対してもある程度受け答えができるように時事問題や政治に関する知識を詰め込んでおいたら、本番役に立つと思います。ちなみに私は、時事問題がまとまった本を一冊分読み、スタディサプリの政治経済の授業を一通り眺めました。
後輩へのアドバイス
私ははじめ、FIT入試の準備や対策を苦痛に思っていました。しかし、FIT入試で準備したことは大学生活の軸となる部分に直結するな、と感じ始めてからはだんだん楽しくなってきました。FIT入試に対するモチベーションと慶應義塾大に対する熱意は志望理由書などの質にも直結してくると思うので、ぜひ前向きな気持ちをもってFIT入試対策に臨んでください。皆さんの合格を遠くで祈っております。